
日本の器 ── 産地と窯元を知ると、器選びはもっと楽しい
日本の器は、どこで、どの窯でつくられたかで表情がまったく違います。土や石、釉薬、絵付けの技法が、その土地で何百年も受け継がれてきたからです。
ここではモノ道楽が扱っている器を、産地ごとにご紹介します。
九谷焼(石川)── 色鮮やかな上絵付け
江戸時代の17世紀半ばに加賀で始まり、一度途絶えたあと、19世紀のはじめに再び興された焼き物です。緑・黄・紺青・紫・赤の「五彩」を使った、色鮮やかな上絵付けが特徴です。
美山窯のように、明治以降に開かれた上絵付けの窯も多く、伝統の作風に今の感覚を取り入れた器がつくられています。
唐津焼(佐賀)── 土の味わい
16世紀の終わりごろには始まっていたとされる焼き物です。桃山時代の茶の湯では、茶碗の格付けに名前が挙がるほど親しまれました。素朴な土の色と、釉薬が流れてできる景色が魅力です。
有田・伊万里(佐賀)── 日本の磁器のはじまり
有田は、日本で初めて磁器が焼かれた土地です。有田の器は伊万里の港から各地へ運ばれたため、「伊万里」とも呼ばれました。白い磁器に藍の染付、赤や金の色絵を重ねた華やかな器が、今も多く残っています。
ほかの産地も少しだけ
- 美濃焼(岐阜):志野・織部・黄瀬戸など。今も日本の器の多くをつくる大産地です。
- 瀬戸焼(愛知):焼き物を「せともの」と呼ぶほど、古くから器をつくってきた土地です。
- 益子焼(栃木):ぽってりとした厚みと、素朴な釉薬の色。民藝の器としても知られます。
- 波佐見焼(長崎):有田のすぐ隣。普段使いの丈夫な磁器が多い産地です。
漆の器 ── 拭いて使い込む
漆は、木の器を水や汚れから守りながら、使い込むほど艶が深まる塗りです。黒や朱の地に金で絵を描く蒔絵は、茶道具やおもてなしの器によく使われます。
高岡の錫(富山)── 曲がる金属の器
高岡は銅器をはじめとする鋳物の町です。能作は1916年に高岡で創業し、2003年に錫100%のテーブルウェアをつくりました。錫はやわらかく、手で曲げて形を変えられるのが特徴です。
よくある質問
共箱(ともばこ)とは?
作り手や窯元の名前が書かれた、その器のためにつくられた箱です。贈りものにもそのまま使えます。
漆の器は洗剤で洗えますか?
普段はぬるま湯でさっと洗い、柔らかい布ですぐに拭いてください。食洗機・電子レンジ・長時間のつけ置きは避けてください。くわしくは「器のお手入れ」にまとめています。
おわりに
産地や窯元を知ると、器を手に取ったときに見えるものが少し増えます。気になる器があれば、お気軽にご相談ください。
